すでに土地が有っても、それが宅地では無い場合は思わぬ費用が掛かります。
私の場合は畑地からの転用でした。
そこから宅地造成までの費用を紹介します。
▶ ハグミ―ファムって安いの?実際にかかる費用
立地(費用とは関係ありませんが)
私の地域は田園地帯で徒歩圏内にはかろうじて小学校があるくらいで、駅や病院、公共施設、スーパーなどは数キロ離れています。
とここのため立地性や利便性は良いとは言えません。自動車が必須の地域です。
現状の畑地で売却するとなると想像ですが1~2万くらい。
それで宅地となると坪単価3-7万円くらい。
たまたま、ご近所の宅地(造成済み)がネット上に出ていたのですが坪単価7万円ほどでしたので。
土地の大きさと形状
実際に家を建てた土地は南北に長い長方形約100坪で、取り付け道路も幅4m以上あり、平屋を建てるとしても申し分ないものです。
土地の分筆も考えたのですが、今となっては、100坪でちょうどよかったです。
駐車場と住宅、家庭菜園で使い切っています。
自家用の畑地なので、宅地にするためには、おおよそ200~500万かかるといろいろな方から聞いていました(ご近所さんには土木や建築関連の人も多いんです)。
が、内心、そんな大げさな!とも思っていました。
それで、初回の一条工務店の提携業者いによる見積。
上下水道引き込み 190万円
一次外構(造成) 260万円
特別運搬賃 20万円
合計 470万円!!!
一条工務店からは「資金計画書」として頂いたものです。
見積社は提携業者で、各社、1~2週間程度で見積もりを出すわけですから、不測の事態も考慮すると、どうしても高めになります。
実際に二回目の見積もりでは、水道引き込みは70万円ほど減額。
造成と外構工事はその面積や外構の内容を調整してこれも100万円くらい減額してもらいました。
それでも 370万円 これだけで坪単価3~4万円となります。
農地転用など許可を得てから
ちょっと待って。
ここで、絶対にしてはいけないのは農地転用の許可前の工事着手です。
造成を依頼した業者さんは公共事業も請け負っていましたので、季節的な工事期間や一条工務店の期工事着手のスケジュールなどでも、決して許可前の着手はできないとの説明を受けました。
農地転用許可申請は私の方で行ったのですが、司法書士に依頼される方もいるようです。
平日に休みを取っても、書類に不備があればやり直しです。
また農地転用の審査会も1月に1回なので、最短でも2か月かかることを学びました。
農地転用は、市の農業委員会に申請します。最初に相談に行くと必要な書類の一覧ややり方の説明があります。
ただ、最短で無駄なく許可を得るには2,3回は経験が必要でしょう。
私としては、手間はかかりましたが、行政やその組織の役割の一端を知ることができて良い経験ができたと思いました。
入手したA4サイズの許可証を板に張り付けて、その土地に見えるように立て看板にします。
これで、堂々と工事が可能になるわけです。
水道引き込み

上下水道の引き込み状況です。道路の右側を宅地造成します。
しかも、このあたりは農業用水のパイプラインもあり、「掘ってみなければわからない」とのことでした。
私は知り合いの工事業者に造成を依頼したので、その方の紹介でこの工事をしてもらいました。
これだけの工事でも50-100万の範囲の費用が掛かりました。
この工事で、業者がやる内容としては、
・市役所への上下水道の使用許可申請。
これは自分で行いました。もちろん工事着手前です。
・上下水道の配管状況の図面入手
・通行止めの許可や近隣へのチラシ配布
・舗装道路の開削と埋め戻し
・道路擁壁の開口
・そして沈下を見越した舗装
・それらの機械の搬入・搬出
・作業メンバーの手配。狭いので手掘が必要。
・材料費
まだ、我が家がラッキーだったのはマンホールの上流(流入)側が近かったことです。
写真のオレンジの楕円で示したものがマンホールです。地域の下水はこの中のポンプで写真の上側へ圧送されます。
なので下水はマンホールの手前側に接続しなければなりません。もし、マンホールがずっと手前に有ったら、その部分すべて、アスファルトおよび地面の開削となります。
道路の開削も復元も施主負担ですから、最小の開削工事となったことは幸いでした。
土盛りと擁壁
畑地からの土盛りは30cm。
一条工務店からは、造成後の仕上げ指示高さや基準面の指示があり、その高さまで土盛りします。
宅地4面のうち、2面を擁壁にて仕上げます。造成費用の削減として、住宅の後ろを家庭菜園として残すことで、土盛りと擁壁工事を縮小。さらに住宅前の駐車場も1mほど短くして、そこでも造成面積を抑えました。

実際の擁壁とその施工状況です。お隣さんも同じく畑地。
造成では境界の取り方から駐車場の勾配、敷地排水など施工業者とは何度もやり取りを行いました。
この地域の畑地が、浸水したという話は聞いたことが無いですが、基礎位置は近隣の住宅と同じ高さまで上げました。
L型擁壁の高さは1,000mm。この擁壁の下にも生コンで基礎を入れるんですね。
たかが平屋一軒でここまでする必要があるのか不明ですが、重機作業や土圧で膨らむこともありそうなので、こういった施工にしました。
この造成高さから、地盤改良で発生する残土も使って、設計高さまでかさ上げし、そこに基礎を作ります。
減額ポイントして、この盛り土を山砂から、別の工事現場から発生した残土を使いました。
地盤改良ではきれいな山砂もコンクリートと混ぜてしまうので、もったいないとのこと。
実際に残土の山を見せてもらい、一条工務店の営業マンにもその旨を伝えました
造成とその費用。
造成が終わった敷地は、そのまま販売できそうなくらい完成度が高い仕上がりとなりました。
これは一条工務店の提携業者のパース図面なども下敷きになって、より納得いく形となったことも否めません。
そして、具体的な金額(200-300万円)はお伝え出来ないですが、納得がいくものとなりました。
そういった面でも、自分の土地を使うメリットは有りました。
まとめ
・宅地化には施主の具体的な外構イメージが必要です。
・で、それにはそれなりに費用と時間がかかります。
・72坪を造成して250-400万 3.4~5.5万/坪
・一条工務店の提携外業者での施工は、その連絡や調整は施主が責任をもって実施する必要があります。
立地の条件はありますが、この状態を購入するとなると、そこその坪単価になるでしょう。
私は選びませんでしたが、空き地や処分したい土地も相当に有るようです。
実際に半年ほどの間に何件か、打診もありました。
そういった物件を見つけたり出来たら、よりラッキーかもしれません。
コメント