一条工務店と言えば、やっぱり「性能」。今回はその中でも数値に表れる部分、つまり断熱性能についてご紹介します。
私がハグミーを検討していたとき、ハグミーファムのUA値(外皮平均熱貫流率)を公開している施主さんはほとんどいませんでした。
UA値って実際どれくらいなんだろう?」 「ハグミーファムの断熱性能って、本当に高いの?」
──そんな疑問を抱きつつ、最終的に一条工務店の平屋モデル『HUGme fam』を選んだ私が、実際に手にしたUA値の結果と、その理由や注意点をまるっとご紹介します。
ちなみにUA値とは、家の「熱の逃げにくさ」を示す指標で、値が小さいほど高断熱。今回は、我が家で実際に出た数値とともに、その意味も深掘りしていきます。
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ハグミーファムのUA値
UA値は……UA値は 0.32でした!
この数値は、一条工務店から渡された「省エネ基準適合性に関する説明書」に明記されていた正式なものです。思っていたより、ずっと良い値! UA値を気にしていた私にとっては、かなりの安心材料になりました。
当初の営業さんの説明では、「ハグミーファムであれば断熱等級6は十分に狙えるでしょう」とのことでした。実際、一条工務店では全体の90%以上の住宅が断熱等級6をクリアしているという実績もあり、かなり安心感。
そもそも、私の家があるのは省エネ地域区分「5地域」。このエリアで断熱等級6を満たすには、UA値 0.46以下が基準となっています。
そしてこの値、なんと基準よりも随分と余裕がありました。
地域区分 | 断熱等級(値以下) | ||
断熱等級7 | 断熱等級6 | 断熱等級5 | |
1地域(北海道) | 0.20 | 0.28 | 0.46 |
2地域(東北北部など) | 0.20 | 0.28 | 0.46 |
3地域(長野・新潟など) | 0.23 | 0.34 | 0.56 |
4地域(北陸・東北南部) | 0.26 | 0.46 | 0.75 |
5地域(名古屋・関東内陸・福井など) | 0.26 | 0.46 | 0.87 |
6地域(大阪・九州北部など) | 0.26 | 0.46 | 0.87 |
7地域(鹿児島・沖縄) | 0.26 | 0.46 | 0.87 |
付加断熱なしでも、ここまでやれる?
付加断熱なしでも、ここまでやれる
ハグミーファムは、いわゆる「付加断熱(ダブル断熱)」ではく、断熱はシングル構造です。にもかかわらず、優れたUA値。その背景には、一条工務店ならではの“一条縛り”があります。一見すると制限のようにも見えるこの縛り、実は断熱性能を底上げする要素として、しっかり機能しているんです。
例えば、こんな感じ:
- 引き違い窓はリビングの掃き出し窓のみ。他の窓も小さめで熱が逃げにくい。
- お風呂・トイレには窓なし。気密&断熱を考えた合理設計。
- 勝手口ナシ。ここも断熱の穴を作らないポイント。
- 外観は凹凸の少ないシンプル構造。冷気の侵入を防ぎやすい。
- トリプル樹脂サッシ+アルゴンガス+ツインLow-Eガラスで窓性能も強化。
- 玄関は1枚ドアのみ(親子ドアなし)で、気密性が確保されている。
「ハグミー」というネーミングからは、ふわっとした印象を受けるかもしれません。でも中身はというと、かなり本気の高性能住宅なんです。
正直、私はこの“一条縛り”を不便とは感じませんでした。むしろ、設計上の合理性と性能重視の姿勢を感じ取り、「なるほど、こういう思想なんだな」と納得して受け入れられました。
……とは言え、外観だけはもう少しどうにかならなかったかな、と思う瞬間がないと言えばウソになりますが(笑)。
冬を変えた断熱オプションとは?
友人は、「今どきこだわらなくても、寒い家なんかないよ」とは言うものの、オプション選定時は冬で冬はドレープカーテンにファンヒータつけても15℃にもならないくらい寒い部屋での作業です。そんな中での選択なので、もう必死ですよ。
UA値の計算に関係がありそうなオプションで選択したものは
・断熱ハニカムシェード。
キッチンのIHヒータ横(セラールの並び)の窓以外すべて採用
しました。キッチン横は汚れるのでオプションでも選択できないとのことでした。
・窓は標準。それでもトリプル樹脂サッシです。
オプション設定の防犯タイプは一番内側のガラスが透明な0.8mmフィルム
(これで割れないようにする)を 3mmの2枚のガラスで挟んでいるので、ガラスは4枚。
と、こういう(3枚より4枚でしょ!と)と防犯シールの何となくリッチな家に見える
(ちょうどいい暮らしとか言いながら結構に不純な動機なもんでんで)感じで欲しく
なってしまうのですが、設計士さんに聞いたのですが、断熱性能には影響はない
ということで不採用としました。26.5万円が出せなかったというのは内緒です。
・玄関扉は三協アルミのシングルドアのプロノーバを選択。
なかでもスリット状の灯かり取りがあるものを選びました。
断熱性能は少し劣りますが、玄関が北向きなので明るさも欲しかったためです。
ファノーバはおしゃれな感じですが、断熱性能は少し劣るようなので
我が家は採用しませんでした。
断熱欠損にご注意
UA値の計算には直接関係しないとはいえ、断熱性能を保つうえで見逃せないのが「断熱欠損」。
私が特に注意したのが、コンセントの配置です。
・外部に接する壁には出来るだけ避ける。
・屋内の間仕切り壁が近いなら、その面につける。
・屋外のコンセントは居室の外壁を避けて、ロスガードの設置部屋の外壁に設置。
・エアコンのコンセントなどはやむおえないものありますが、将来コンセントとして配置しました。
・パワーコンディショナの裏側など、すでに電線を通すことが決まっている場所を選ぶ。

写真(わかりにくいですね。左側は石膏ボード敷設前。黄緑に見えるのは防蟻処理した、2×6材。グレーの部分が断熱材。こちらには差圧吸気口は写っていません。写真右は同じ個所の完成時の様子。)は、外部から電線やケーブルを引き込む部分です。天井からコンセントまで電線の通り道ができています。その右側2×6の構造体の反対側にも欠損部分があります。この溝に合うようにコンセント設置してもらってもよかったかなと思いますが、打ち合わせ中には、そのような事は分かりません。またどれくらい切欠いているのかもわかりませんが、その部分は140mm厚みが薄くなります。
写真で見返すと、必要な分だけを取り除いているようにも見えます。電線は電流によって発熱するので、その周囲には空間を開けておく必要があります。また、断熱材には番号のようなものが振ってあります。飛んでくる壁には最初からある程度の断熱材は入っていますが、後ではめ込む部分もあります。 想像ではありますが、設計段階で、切り出す断熱材が決まっていて、その辺りはに従って切り出し、それらをはめ込んでいくものと思います。各材料に番号が記載してあります。コンセント配置は生活の利便性に大きくかかわることですが、外壁側への設置は、ほどほどにした方が良いと思います。
また、壁下補強も同じように、少なくとも12mmの合板を張り込む箇所は断熱材が削り取られますので我が家で採用した壁下補強は、間仕切り外壁に限定しました。
まとめ
ハグミーは、これまでのi-smileシリーズと同等の断熱性能ではありますが、昨今のコンパクトハウス、トイレやお風呂の窓が無い、窓や開口部が少ない。親子ドアは採用できない。など、最近のトレンドを捉えることでもコストダウンを兼ねています。また、選択肢を絞ることで、設計のばらつき(配線による、断熱材料の切欠きなど)も減るので、参考になるかと思います。
なお、一次エネルギ―消費量等級も6となっていましたので、消費エネルギーを見てもしばらくは通用するレベルと思います。
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